『はずかし。』
ども。
いきなりですけど、夏の風物詩と言えば何を思い浮かべますか?
花火、鈴虫、冷麺、スイカ、などなどまぁ色々ありますが、僕はズバリ茄子です。
「そんなん冬でも売ってるやん。」って言うと思いますが、それは他の物も同じでしょ?
そうです。そうなんです。今時、真の意味での風物詩なんか無いのです。
便利やけど、風情は無いですね。今のこの世の中。
だから、ちょっとでも風情という物を忘れないために僕は茄子をいっぱい食べます。
茄子と油の相性は織姫と彦星レベルに抜群でしょ。
たっぷりの油で炒めて、そこに生姜醤油たらすだけで、おもいっきしご飯食べれますよ。
邪道とわかってるけど、味の素もかけちゃう伊藤です。
さて、僕は昨日の休みに運転免許の更新に行ってきました。
行った事ある人は知ってると思いますけど、アレすげーめんどくさいんですよね。
まず、行くのがめんどくさい。
住んでる人には失礼ですが、免許関係以外で『羽束師』に行った事が無い。
超不便な所ですよね。だいたい、『はずかし』で1発変換できませんからね。
いかにマイナーな場所か想像できますよ。
バス以外の交通手段が無いし、しかも本数もすくない。
当然、僕は車で行きましたよ。クーラーがんがんにつけて。エコ上等ですよ。実際。
さらに会場についてビックリするのが、思った以上に更新する人がいる事。
めちゃくちゃ並びますよね。人気のラーメン屋なんか目じゃないくらい。
火曜日なんかド平日ですよ。しかも昨日は3連休明けの。
「おいおい、みんな4連休か!?」とビックリしますよ。実際。
これまで4回くらい更新に来た事あるけど、毎回思うことが「暇や…。」です。
正味2〜30分くらいはジッと並んでるだけですが、いかんせん目的が免許の更新です。
最終的になんかイイ事が有る訳でも無いので、期待感も何も無くただ並ぶだけ。
コレは数年に1度の罰ゲームですね。
「あーああ。暇や暇や。」と時間を持て余し悶々としてたところ、係りの人らしき
方が何やら説明をしに来ました。
この方曰く
1・更新のお知らせの葉書と免許書を確認しておいて下さい。
2・更新の葉書は、剥した中の方を表にしておいて下さい。
3・免許書をケースに入れている人は先に出しておいて下さい。
4・葉書を忘れてきていても、更新はできます。ただ時間はかかります。
5・免許書を忘れた方は、今回は更新は出来ません。
とのこと。
どうやら試験場のほうでも、少しでも人の流れをスムーズにしようと努力してるようですね。
この時、「へ〜。」と聞き流しつつも感心していた僕の目にふと止まった人がいました。
僕のすぐ前に並んでいた小太り丸メガネのおっさん?
この方にその後、神様が降臨するとは僕を始め周りの誰もが気付いてはいませんでした。
係りの方が上記3の説明の補足で
「ケースに張り付いたりしていて手間取っていると、
後続の方でイライラしたりする方もおられますので、くれぐれも…」
とか何とか言ってます。
それを聞いた前の小太り丸メガネのおっさん、なんかゴソゴソし始めます。
どうやら係りの人のアドバイスに従ってケースから免許証を取り出そうとしているようです。
しかも、お約束のようにケースに張り付いて出てこないようです。
「あれーっ?あれーっ???すーっ?」
とか何とか言うてはります。
まぁこの段階では僕も「大きい独り言やな。」くらいにしか思ってませんでしたが、次の瞬間。
ドガッ!!
いきなり小太り丸メガネのおっさんの肘鉄が僕のわき腹にまぁまぁ鋭くとんできました。
いきなりすぎて当然避けれません。直撃です。
そんな痛くは無かったですが、なんしかビックリしました。
「すいませんっ!すいませんっっ!!すーーっ。すーっっ。」
これでもかっちゅうくらいに謝ってくる小太り丸メガネのおっさん…いや良く見たら、おばさん。
両手には免許証とケースをセパレートで持ってます。
どうやらケースから免許証を引っこ抜くのに勢い余ってしまった様子。
別にそんな事で僕は腹立ったりしませんが。
それにしても勢い余りすぎやろ。実際。
と、少々付近をザワつかせながらも僕と小丸のおっさ…おばさんはちょっとづつ前へ進みます。
これから『小太り丸メガネのおばさん』は長いので『小丸おばさん』って呼ぶことにします。
更新の手続きの工程は
1・葉書と免許証を提出して書類をもらう。
2・書類を書き込み、手続き料を支払う。
3・視力検査。
4・一旦書類を提出する。
5・名前呼ばれたら、書類を取りに行く。
6・写真撮影。
7・全ての書類を提出して講習(1時間)を受けに行く。
8・講習後、新しい免許証をもらう。
おわり
こんな流れです。
この時、僕と小丸おばさんはまだ1にも辿り着いて無い状態です。
少し挙動不審ぎみの小丸おばさんを、チラ見してるだけで案外早く1までは辿り着けました。
さて次は2です。はっきり言って書類書く部分はちょっとなのでサクッと終わります。
終わるはずですが、小丸おばさんをチラ見してみると、また
「すーっ?すーっっ??」
と首を傾げながら、いっこうにペンが進まない。
いったい何がそんなに小丸おばさんを考えさせたのかは、今となっては謎ですが
時間をかけてなんとか書き終わられたみたいです。
で、次に費用を支払いに窓口に行く訳ですが、この窓口で費用を支払った後、毎度の事ですが
「もしよろしければ交通安全協会への寄付を宜しくお願いします。」
と言われます。
僕は高校生の時バイクの免許を習得した時に1回だけ寄付した事があります。
お礼にくれるのは、小丸おばさんが免許を取り出すのに手こずっていた緑のビニールケース。
今回も寄付はしませんでした。が、ふと思いました。別にどうでもいい事なんですが
「緑のケースに免許証を大事にしまってる小丸おばさんは毎回寄付してんのかな?」
5ほどある窓口を探してみると、すぐに見つかりました。
何と言うか目立つんですよね。小丸おばさんは。
「すいませんっ!すいませんっっ!!今回は、あのーそのー。すーっすーっっ。」
と、けっこう大きい声で、窓口の方とやりとりされてます。
どうやら、寄付は毎回しないようですね。
やっぱり小丸おばさんのケースは使いこまれてるみたいやし、ちょっとニッチャリしてて
免許証がよく引っ付くのでしょうね。納得です。
そんな事よりも僕は小丸おばさんの「すーっ。すーっっ。」て言う余りに大きすぎる吸気音が
ツボに入ってしまい、人目もはばからずニヤニヤしちゃいます。
さて、次は視力検査です。
当然僕は小丸おばさんより後ろに並べるようにタイミングを見計らいました。
運良く小丸おばさんのすぐ後ろに並べたんですが、いかんせ距離が近すぎて
「失礼にあたるのではないか?」とか、もしくは真後ろで僕がニヤニヤしてると
「失礼しちゃう!すーっ。すーっっ。」と思われてしまわないか心配でした。
が、小丸おばさんは後ろを気にかける素振なんかこれっぽっちも見せづに
相変わらず挙動不審気味でソワソワキョロキョロしてはります。
余談ですが、僕は普段は基本的に眼鏡をかけています。視力は中の下もしくは下の上
といったところです。ので運転する時は眼鏡かコンタクト着用せねばならない…事も無く
ギリギリ運転に差し支えない視力のようで、更新の際は毎回「今回こそ裸眼ではアカン。」
と言われるのでは無いかとドキドキしています。
そうこうしてると、すぐに小丸おばさんの順番がまわってきました。
小丸おばさんは『小太り丸メガネのおばさん』の略だけあってメガネっ娘です。
当然、目が悪いのだろうと思っていたのですが、測定の前に計測員のひとに
何やらゴチャゴチャ言うてはります。
「あー。そのー。すーっ。私ー眼鏡が無くても見えるような気がーftgtyっふじこ…すーっっ。」
最後の方は聞き取れませんでしたが、どうやら僕と同じ事を考えておられるようです。
人は見た目で判断してはイケないんですが、どうみても小丸おばさん目が悪そう。
眼鏡の奥でも遠くをみるような目をされています。
臆せずに測定員の方は淡々と進めていかれます。
「それではまず眼鏡を外して測定して頂いて、その結果が良くない様で…」
まだ測定員の方が話してるのに
「下ー。すーっ。」
早い。かなり。
「まだ、装置の準備が出来てませんよ。それと測定はまず裸眼からです。」
こう言う事態に慣れておられるのか、測定員の方はあくまで淡々と言います。
だいたい何を聞いていたのか小丸おばさんは眼鏡かけっぱなしやし。
ほんまに裸眼で見えるのか、かなり怪しいところです。
やっと眼鏡を外して測定開始です。
側定員 「では左目からいきます。これはどうですか?」
小丸 「左ー?すーっ。」
側定員 「おでこを機械に引っ付けて見て下さいね。」
小丸 「すいませんっ!すーっ。すーっっ。」
側定員 「これは?」
小丸 「あー。これは見えます。上ー。上ー。すーっ。」
側定員 「…これは?」
小丸 「えー。左ーですーっ。」
側定員 「これは?」
小丸 「えー。えー。下ーですかね?すぅ?」
側定員 「……」
こんな感じで明らかにCが小さくなるにつれて怪しくなっていくのが誰の目にも明らかでしたが
なーんかギリギリ見えてるみたいで、なんとか裸眼でパスしていかはりました。
それまでは資料と機械しか見ていなかった側定員の方が、小丸おばさんが立ち去る時に
顔を上げて、まじまじと後ろ姿を見送っていた光景は中々絵になる感じでした。
あれほど淡々としていた測定員の方も何か感じる物があったのでしょう。
側定員 「通してよかったのだろうか…?」
こんな事を考えてたのかもしれませんね。
この先もし、小丸おばさんが前方不注意で事故を起こしたとしても僕は、僕だけは
側定員さんのせいだとは思わないです。
まぁ続いて僕もけっこう怪しい感じで裸眼でパスして小丸おばさんを追います。
次は一旦資料を提出して名前を呼ばれるまでしばらく待つのですが、今回僕は
更新のついでに住所変更も一緒にするので他の人より時間がかかると言われました。
残念ながら小丸おばさんとはここでお別れする事になりそうです。
そうこうしてると、小丸おばさんが呼ばれます。
「はいっ!!すーっ。」
挙手して元気いっぱいに資料を取りに行き、颯爽と写真撮影にいかれました。
僕はなかなか呼ばれません。
写真撮影の場所は書類を渡される場所のすぐ隣だったので、チラッと撮影現場を覗きます。
いた。すぐ見つけた。僕は釘付けです。
撮影員 「○○さん。写真をとりますのでこちらに掛けて下さい。」
小丸 「はいっ。すーっ。」
颯爽と椅子に腰掛け撮影をまつ小丸おばさん。
撮影員 「あれ?○○さんは眼鏡着用ですか?資料の方で…」
小丸 「すいませんっ!すいませんっっ!!すーーーっ。」
やっぱり小丸おばさんに間違いはありません。
絶対に何かやってくれると思ってました。
それを見届け、安心して名前を呼ばれるのを待つ作業に戻れました。
その後は講習(1時間)とか、ややめんどくさい事もありましたが、今回の更新は
僕にとって、凄く有意義な時間でした。
いつもはめんどくさいだけの更新も、今回は『小丸おばさん』のおかげで大分楽しかったです。
いやー。出会いって大切ですね。
すーっ。すーっっ。
